平成25年10月より320列CT装置(東芝社製)が導入されました。
これまでは4列CT装置と64列CT装置の2台体制で検査を行っていましたが、今回4列CT装置を更新し、320列CT装置と64列CT装置の2台体制へと代わりました。
今回導入された320列CT装置とは64列CT装置の約5倍の範囲を1回転で撮影することが可能となっています。また、1回転で最小0.5mmの厚みの画像を320枚作成することも可能です。簡単なイメージとしては下の図のように画像が出来ます。
恩恵としましては、息止め時間の大幅な短縮が可能である、一つの臓器(16cm内に納まる臓器)であれば1回転で撮影することが可能であるためズレのない時間の経過に沿った画像を作成することが可能である、などが挙げられます。
装置の見た目にも新たな機能が追加されており、大きなドーナツの形をした機械の上の部分にi-Stationと呼ばれるモニターが付いています。このモニターには患者様のID番号、氏名、生年月日、アニメーションによる検査説明などを表示させることができ、患者様間違い防止やスムーズな検査進行の一躍を担っています。
本院の理念として“人に優しい病院”とありますが、その中に赤ちゃんや子供に優しい病院という意味も含まれています。320列CT装置は広い範囲を素早く撮影できるため、検査の難しかった赤ちゃんや小さいお子様まで、綺麗な画像を撮影することが可能となっています。下の図は5歳児を64列CT装置で撮影した時の画像と、320列CT装置で撮影した時の画像を比べたものです。
撮影した時期は多少異なりますが、320列CT装置で撮影した画像はお腹の動きによる画像の乱れが少なく、各臓器が鮮明に見えているのがお判り頂けると思います。
3D検査といった特殊な検査においても動きによる画像の乱れが少ないため、非常に綺麗な画像を作成することが可能となっています。
更には、小児検査のみでなく心臓検査においても320列CT装置の力は発揮されます。一つの臓器であれば1回転で撮影することが可能である事は既に述べましたが、今まで撮影が難しかった不整脈・高心拍の患者様においても、1回転で撮影することによって非常に綺麗な画像を作成することが可能となっています。
最後に、今回の320列CT装置導入に伴い検査室内も大幅に改装されました。自然を感じさせる緑を採り入れた天井に、清潔感のある白を基調とした壁と床になっています。
気持ちよく検査を受けられるようにスタッフも努力して参りますので、検査をお受けになられる場合は気を楽にしておいで下さい。
何かご不明な点がありましたら、診療科主治医または、放射線技師までお問い合わせください。