本校の教育課程は、「博愛」「叡智」「自律」を教育理念とし、基礎分野、専門基礎分野、専門分野の3分野で構成している。
基礎分野は、専門分野を学ぶために幅広い素養を積む分野として、看護師となる以前に一人の人間としての人間らしさを打ち立てていくために必要な一般教養的内容とする。看護の対象となる人間について理解するための根幹となる部分であり、自己を含めて生活に基盤を置いた社会的存在としての人間を理解するための洞察力、科学的思考力、人間性に根ざした倫理的判断能力を養い、人権意識に裏づけされた感性豊かな人間として成長するために、柔軟な幅広いものの見方や考え方ができるような科目を設定している。科学的思考の基盤を学ぶための科目として、「論理学」「教育学」「情報科学」「生活科学」「外国語」を設定している。人間と生活・社会を理解する科目として、「社会学」「家族関係論」「心理学」「人間関係論」「倫理学」「保健体育」を設定している。
専門基礎分野は、専門分野での看護学の学習を支持する非常に重要な分野として位置づける。複雑な生命活動を営む人間のからだの構造と機能を系統立てて理解し、看護学への応用を前提とし、各授業科目の知識が統合されて人間全体が捉えられ、科学的根拠に基づいた看護を実践するために必要な基礎知識と技術の修得をめざす。さらに、社会でよりよく生活できるための社会保障システムを理解し、多職種との連携・協働ができる基礎的知識を学習する。人体の構造と機能を学ぶための科目として、「解剖生理学」と「生化学」を設定している。疾病の成り立ちと回復の促進を学ぶための科目として、「病理学総論」「病理学」「臨床治療論」「微生物学」「薬理学」「栄養学」「臨床判断(変化への気づきと判断)」を設定している。健康支援と社会保障制度を学ぶための科目として、「保健医療論」「公衆衛生学」「社会福祉」「関係法規」「健康教育論」を設定している。
専門分野は、看護学として専門性を高めるために、基礎分野と専門基礎分野の学習を生かし、看護に必要な基礎的な実践能力の育成をねらう分野として位置づけ、看護学そのものを教授する。人間の成長発達段階と健康段階及び場の違いを考慮しつつ、看護実践能力を高める基礎となる知識・技術・態度を養う分野である。そして、看護実践能力の強化を図るための教育内容がより明確なものとなるように整理した。専門分野を構成する領域は、「基礎看護学」「地域・在宅看護論」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「看護の統合と実践」である。