教育・研究このページを印刷する - 教育・研究

循環器研修では内科専攻医(循環器専攻)は総合病院の特性を活かした幅広い知識及び手技の取得が可能となっています。特に、身体所見、各疾患の診断至る過程や各検査の理論の習得に重点を置いた研修になっています。また、専攻医を終了した先生は、レジデントとして循環器専門医のみならず各sub-specialityの専門医取得を目標に多くの症例、手技の研修を目的としています。研究部門では、院内で臨床研究部という専門部署を有しており、科研費等の多くの外部資金を獲得し、リサーチカンファレンス、倫理委員会で検討したテーマで毎年、英語論文を発表しています。特筆すべきは、市中病院では稀な基礎研究施設を有しており、本格的な基礎研究も積極的に行っています。

教育部門

指導医・指導体制と科の概要

2020年度は、常勤医師8名(全て日本循環器学会認定循環器専門医)とレジデント5名、内科専攻医数名で、入院・救急外来での診療、指導にあたっています。入院患者は常勤医師とレジデント、専攻医での複数主治医制で診療にあたり、1日あたり平均40人程度の入院患者をCCU4床と循環器病棟(5-A、9-B)60床において診療しています。毎朝、新患症例と難治症例の診断、治療方針をカンファレンスで検討しています。全症例の内訳は、心筋梗塞を含む虚血性心疾患が485件、肺循環疾患が493件、各種心不全が147件、不整脈が150件(2020年度新規入院患者数1801人) となっており、対象疾患と治療の緊急性から循環器科単独でのCCU当直をおき、24時間・365日体制で診療に当たっています。

研修の概要と特徴

内科専攻医(循環器専攻)は、当院の内科専攻医プログラムに準じた研修を行います。専攻医1年目は、半年間は循環器以外の内科研修、半年間は循環器研修、2年は連携病院での研修、3年目の1年間を当院循環器での専門研修となります。当院当院の循環器科の研修では疾患概念、鑑別診断や薬物療法・非薬物療法の選択の実際を経験し習得することを目的としています。特に、1年目は理学的所見のとり方、12誘導心電図・心エコー図の記録と読影に重点をおき、3年目は、第一術者として、右心カテーテルの手技と解析、また冠動脈造影を含む画像検査の手技、読影を習得します。急性・慢性心不全症例はもちろん、虚血性心疾患・弁膜疾患・心筋症・肺高血圧症・不整脈の症例を幅広く且つ偏りなく経験することができることが特徴です。更に、当院では総合病院である特性を生かし、他科との連携の上で多臓器併存症を持つ患者さんに対しても治療が可能です。
専攻医を終了している先生は、レジデントとしてより高度な一般循環器手技を第一術者として習得することが可能です。また、希望によりsub-specialityを主とした研修も受け付けています。

研修予定表

行事予定 曜日 時間
循環器画像カンファレンス
循環器新患カンファレンス
月~金曜日 8:30~9:00
循環器科・心臓血管外科合同カンファレンス 水曜日 8:00~9:00
循環器抄読会 木曜日 8:30~9:00
リサーチカンファレンス 第3金曜日 16:00~17:00

将来の進路(専門研修に進んだ場合)と取得資格

専門研修では観血的診断・治療技術の習得を主目的とし、年間200件の心臓カテーテル検査を術者として経験し、80件程度のインターベンションと20件程度のペースメーカ移植術を術者もしくは助手として、経験できます。以上により、循環器専門医資格を受験可能な症例を3年間で蓄積できます。後期研修終了後の進路は、当院でのレジデント及び大学院進学、他院への常勤医師での赴任など様々です。

当院での循環器研修、レジデント研修についてのお問い合わせ(施設見学も含め)は循環器内科 医長 渡邊敦之(watanabe.atsuyuki.ct@hosp.mail.go.jp)までお願いします。

研究部門

多くの臨床実績を有する循環器内科では、基礎研究から臨床研究まで幅広く研究活動も行っています。診療データを用いた臨床研究から、分子生物学的手法を用いた基礎研究まで幅広く行っています。大学院に入学し当院で臨床研究を行って学位を取得することも可能です。2021年時点で、これまで循環器内科に在籍した医師/レジデントが3名、当院で行った研究成果をまとめて学位を取得しています。これらに加えて、新たな疾患概念や治療方法の開発につながる基礎研究にも力を注いでいます。
 
医療技術や研究の進歩により、心血管系疾患の原因究明や治療法の開発がなされてきました。しかしながら、多くのことがまだ未解明です。循環器内科と臨床研究部分子病態研究室では、心血管疾患の病態解明と新規治療法の開発を目指して研究を行っています。日々の臨床から生じる疑問や問題点を起点とし、基礎研究から得られた成果を元にして、臨床にフィードバック可能、すなわち実際に使用可能な新規治療法の開発を目指した研究を遂行することに重点を置いています。国内外の研究者とも協力体制を作り、議論を重ねながら日々研究を行っています。

分子病態研究室には実験室が4室あり、細胞培養設備に加えて、ELISA、PCR、Westernblot、共焦点顕微鏡、細胞内カルシウム測定機器、遺伝子導入装置などを備えており、分子生物学の基本的な実験を行うことが可能な環境が整っています。医師に限らず、薬剤師、臨床検査技師、大学院生など研究活動を行う意欲のある方とともに研究活動を行っています。

業績

2020年度 英論 和論 学会発表

学会賞の受賞歴(過去の在籍者を含む)

2013年 日本心臓病学会CLINICAL RESEARCH AWARD 溝口博喜
2017年 日本内科学会第117回中国地方会JUNIOR RESIDENT AWARD 兼澤弥咲
POSTER AWARD, INTERNATIONAL CTEPH CONFERENCE 2017 小川愛子
2018年 日本循環器学会第112回中国四国合同地方会研修医奨励賞 兼澤弥咲
2019年 日本心臓病学会優秀論文賞 小川愛子
2021年 第116/118回日本循環器学会 中国・四国合同地方会
研修医奨励賞「 急性心筋炎における重症化の予測因子の検討」 近間俊介