サポート体制

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臨床研修における充実したサポート

プライマリ・ケアの実践

救急外来診療

岡山医療センターでは、研修医がプライマリ・ケア診療を実践できる場として救急外来研修を行っています。

救急科医長及び日勤帯各診療科オンコール医師の指導下に、1年目から救急外来を研修します。月曜日から金曜日までの平日8:30~17:15まで、救急外来にて内科系・外科系急患の初診を担当します。問診、理学初見から検査、鑑別診断に至るまで基本的に研修医が中心となって行います。そうした初期対応を経験し、専門領域疾患に関しては、27診療科オンコール医師へとバトンタッチします。

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救急ホールの様子

夜間・祝休日の日当直診療

各科ローテート研修中は、救急日当直を月に4回程度担当します。 その際、研修医が単独で日当直業務を担当することはありません。内科系・外科系指導医が日当直をしていて、研修医の指導にあたります。また、基本的に日当直の翌日は代休を取得します。

【指導体制】

指導医・各専門研修専攻医・2年目初期研修医・1年目初期研修医という屋根瓦式の指導をおこなっています。

各種カンファレンスでの指導

岡山医療センターでは、研修医向けのカンファレンスが大変充実しています。

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プライマリー・カンファレンスの様子
1.「プライマリー・カンファレンス」(週1回)
これは、1年目と2年目の初期臨床研修医が主体となって開催するカンファレンスで、腹痛・胸痛などのプライマリーな事項に関して、各グループでプレゼンテーションを行うことで知識を共有し、研修医全体のレベルアップを目指すものです。
2.「救急症例検討会」(週1回)
救急外来で診断に苦慮した症例などをピックアップして検討会を行い、注意を要する症例をフィードバックすることにより、救急医療に重点を置いたレベルアップを図ります。
3.「放射線科画像セミナー」
放射線科による研修医対象の読影会です。救急患者で注意すべき画像所見などを分かりやすく勉強します。
4.「救急処置訓練(BLS、ICLS)」

救急科医師が中心になって、最新の救急処置が身につくよう、実践的な訓練が行われます。

  • BLSシュミレーション
    BLS(一次救命処置)
  • 内視鏡シュミレーション
    ICLSコース

その他、以下のようなカンファレンスが行われています。

  • 「小児救命処置トレーニング」: 小児科(週1回)
  • 「病理剖検検討会(CPC)」 : 病理、全科対象(月1回)
  • 「呼吸器画像カンファレンス」 : 呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科(月1回)
  • 「消化器カンファレンス」 : 消化器内科、外科、放射線科(週1回)
  • 「教育セミナー」 : 地域研修センター(月2回)

スキルアップシアターでの自主学習サポート

処置の手技というものは、実地体験なくして向上はありえません。しかし、患者さんで初めてその手技にあたるのも不安です。

岡山医療センターには24時間利用可能な本格的医療技術センターとして「スキルアップ シアター」が設置されています。ここでは静脈ライン確保、採血、腰椎穿刺、腹部エコーなど様々なシミュレーターがあり、いつでも心ゆくまで練習ができます。やる気さえあればいくらでも上手くなれます。

  • ラボ使用風景 静脈注射・採血練習
  • ラボ使用風景 縫合練習

積極的な学術研究指導

当院では各診療科にて学会発表を積極的に行っていますが、それらに加えて、研修医による企画・運営の下、全研修医が一同に会して症例研究の発表を行う院内発表会が、年に一度開催されます。

興味のあった症例に対して、各診療科上級医の指導のもと研究発表を行い、その内容を論文にまとめます。論文作成に関しても上級医が指導します。 論文は、学会誌に投稿するか院内査読委員会の査読を経て、岡山医療センターの年報に掲載されます。初期研修期間で1年に一編、最低二編の論文を作成することになります。

  • 院内発表会の様子
    院内発表会の様子
  • 岡山医療センター 年報
    岡山医療センター 年報

EPOC評価システム&院内共通評価システムによる形成的指導

当院では初期臨床研修医の評価を、厚生労働省が提示した研修目標に準拠したEPOC評価システムと、院内共通フォーマットによる各診療科の評価表の2本立てで行っています。

EPOC評価システムは、初期臨床研修で必要とされている症例、手技などをできるだけ客観的に評価するシステムとして使用しています。また、 院内共通のフォーマットによる評価表では、主に社会人として身につけておくべきコミュニケーション能力、身だしなみ、あるいは医療人として必要な診療、学習への姿勢を評価しています。

ローテーションでまわった各診療科の研修終了時に評価できる点、もう少し努力が必要な点を記入して各研修医へ返却します。これは1~2ヶ月ごとに評価を行うことにより、きめこまやかに各研修医へ現状をフィードバックして育てていくことを目的としています。

また、年3回定期的に各診療科の医長を中心とした初期臨床研修検討会を開催し、各研修医の個性に合わせた指導方法について意見を出し合います。その結果を研修医個人へ速やかにフィードバックを行い、臨床研修がより実りあるものとなるように取り組んでいます。

2年間の初期臨床研修終了時には外部の委員も含めた卒後臨床研修管理委員会で、EPOCや各診療科の評価表などを参考に研修修了の認定を行っています。

専門研修に向けて充実のサポート

当院での初期臨床研修修了後、引き続き各専門研修を継続することも可能です。各領域の専門医研修にも対応していて、大きく分けて2つのパターンがあります。
専門研修(専攻医)の詳細はこちら

1. 基幹プログラム(内科・外科・総合診療)にエントリーする

内科・外科・総合診療の専門医取得を目指す方は、当院が基幹施設である専門研修プログラムによる研修が可能です。岡山医療センター独自のプログラムにより内科、外科、総合診療専門医の取得に必要な研修を行います。研修終了後には各領域の専門医受験に必要な症例の経験やスキルが修得できます。当院が基幹施設であるプログラムの詳細については以下より参照可能です。

    
  1. (1)NHO岡山医療センター内科専門研修プログラム
  2. (2)岡山医療センター外科専門研修プログラム
  3. (3)NHO岡山医療センター総合診療専門研修プログラム
2. 連携施設としての専門研修プログラムにエントリーする

小児科、外科、皮膚科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、病理については岡山大学病院が、形成外科については川崎医科大学病院が基幹施設となった専門研修プログラムの中で、当院が研修可能な連携施設となっています。当院の各領域のプログラム責任者(各科医長など)と相談の上、各研修プログラムにエントリーすることで、引き続き当院での専門研修が可能です。

日々の研修を支える総合的な研修医支援体制

岡山医療センターでは病院の理念に基づいて、臨床研修に関わる全ての領域において多感に学び、各部署の医療チームと楽しく働きながら真に実力のつく研修が出来るように、さまざまな研修医支援体制を整えています。

研修医支援に関する体制としては、活動の中心は教育研修部門の医師育成キャリア支援室が担当しています。

医師育成キャリア支援室

医師育成キャリア支援室は研修医の知識・技能・精神に実効があるように、研修の統括と研修医一人ひとりを支援することを目的として設置され、研修管理や評価・研修システムの検討を行っています。
初期臨床研修における研修事項について円滑に実施できるよう支援したり、研修環境構築のため若手医師に協力してもらいメンター制度を実施しています。

研修生活を支援する福利厚生施設など

院内宿舎

当院では、院内に直結した初期臨床研修医専用の宿舎があります。ホテルの一室を思わせるきれいな部屋で、病院とは渡り廊下で接続されているため、通勤時間がかからず、大変好評です。

部屋にはベッド、机・椅子が備え付けてあり、それぞれの部屋にユニットバスが設置されています。室内は決して十分に広いとは言えませんが、一人暮らしをするには十分な広さと設備が整っています。

  • 全個室、冷暖房完備、ベッド完備、机・椅子完備、バス・トイレ完備、乾燥機付洗濯機、電子レンジ(いずれも共用): 4,200円/月
  • 駐車場 : 4,000円/月
  • 明るくてきれいな部屋
    明るくてきれいな部屋
  • ユニットバス
    ユニットバス
  • パントリーと乾燥機付き洗濯機(共用)
    パントリーと乾燥機付き洗濯機(共用)
  • 広々としたラウンジ
    広々としたラウンジ

年間行事とレクレーション

院内での研修の他に、院外宿泊研修や病院行事にも参加してもらいます。指導医・同期臨床研修医・コメディカル職員との交流を通じて、全人的な医療人を育成することを目的としています。

宿泊研修

4月の研修医採用後に行われる1泊2日の宿泊研修です。研修医と指導医、院長が参加し、最近話題になっている医療問題などを題材に、ロールプレイやディスカッションを行います。

夜は温泉に入り宴会で盛り上がり、親睦が深まります。

レガッタ

毎年6月に開催される岡山大学ボート部主催のレガッタ大会に、研修医チームを筆頭として、コメディカルからも多くのチームが参加します。翌日は真っ黒になって、病棟の注目の的になれるかも!?

病院フェスタ

病院を地域の方にもっと知っていただくために、毎年秋に行われているオープン・ホスピタルです。医長から看護学生までみんなで参加し、手術室体験やメタボ チェック、看護体験、院長体験といった病院ならではの出し物やバザーを行います。毎年、2,000人以上の方が訪れる一大イベントです。

医学生のみなさんへ(メッセージ)

教育研修部長からのメッセージ

太田徹哉
清水 順也
教育研修部長、小児科医長

現在当院で研修を受けておられる先生がうらやましい。
充実した診療科、多くの研修コンテンツや設備、勤務時間管理の改善、教えたがりの指導医たち、様々なバックグラウンドを持つ多くの同期、そして病院からの多くの見えざるバックアップも…。
1つ言うなら、昨今の働き方改革が、経験値、やる気や責任感の醸成にマイナスになりはしないかという懸念がありますが、当院では杞憂に終わることを願っています。
いやこれは願望ではなく、研修担当の使命ですね。

先輩研修医からのメッセージ(臨床研修の感想)

内科専攻医 (令和4年卒業)

岡山医療センターの初期研修を修了し、この度内科専攻医として勤務しております。

当院の初期研修を振り返れば、自分の成長に欠かせない良い研修であったと思います。

当院の特色としては、市中病院でありながらほぼ全科が揃った総合病院であり、診療と同時に研究や発表も盛んであることが挙げられるでしょうか。市中病院では、なかなか全科に常勤医が勤務している処は少ないですが、当院ではローテートの自由選択で、院内にないため選択できないことはほぼありません。

また一般診療も行われていることはもちろん、学会発表や論文発表の機会は多く、死因の究明を病理解剖で行い、臨床医・病理医で結果を検討するCPCカンファレンスがあったりと学術意識も高い病院であるように思います。

研修医にできることは積極的に経験させようという病院全体の空気感があり、手技を行う機会、フィードバックも多いです。先生方のサポートも多く、安心して学ぶことができます。初期研修医の数は同期で13-15人と比較的多く、大学の偏りはなく、それぞれの出身も異なり楽しかったです。

重要なことですが、当院の初期研修医採用では成績表の提出はありません。(令和2年度時点)人柄を重視する採用であるようで、研修医も穏やかな性格が多かったように思います。諸先生方やお世話になるクラークの方も優しく、研修での悩みを相談しやすい環境です。当院での研修を少しでも考える方はぜひ一度見学に来てください。

後悔はしないと思います。来られることを楽しみにしております。

小児科専攻医 (令和4年卒業)

2年間の初期研修を終え、今後は小児科専攻医として当院で引き続き勤務させていただくこととなりました。
次に来られる初期研修医の先生方に向けて当院の魅力をお伝えできればと思います。

特徴としては、①研修医の数が15人前後と丁度よい、②1つ上の先輩と一緒に救急を研修できるため、質問しやすく、仲良くなりやすい、③上級医の先生も指導熱心、④地域、精神科以外の研修を当院で完結できる、⑤親身なクラークさんがいてくれる、⑥救急当直は3~5回/月で、同期で調整可能、⑦レジ部屋という自室をもらえるため、QOLが非常に高い、などが挙げられます。

加えて、私は小児科志望であり、産婦人科、新生児科、小児科、小児外科がすべてそろっており、優しく、熱心な先生方に丁寧に指導していただきました。まだ慣れない診療の中、浮かんだ疑問や悩みをすぐに相談できる環境にあるというのは、健康に研修を終え、次の一歩を踏み出すためにはとても大切なことだと思います。幅広い診療科をローテーションして、将来どの専門科を選択しても活かせるような生きた経験を積んでいただけると思います。

また、後期研修以降も考えている方でしたら、どの科も相談しやすい先生方がおられるので初期からそのような職場で働き始めるのは更に強みかと思います。

当院での研修を考えられている方は是非、一度見学にいらしてください。一緒に切磋琢磨し働ける日を楽しみにしています。

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