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さて、2021年もコロナに明け、コロナに暮れた1年でありました。ワクチン接種が進み、新薬の開発が進むなど、多少光明が見えてきた感じはありますが、まだまだ油断できない状況が続いています。当院も岡山県南東部の重点医療機関として、コロナ陽性患者受け入れだけでなく、ワクチン接種、PCR検査等、新型コロナウイルス感染症対策に対し、最大限の協力体制をとっています。
その一方で、当院は地域医療支援病院、地域災害医療センター、総合周産期母子医療センター、がんゲノム診療連携病院等の指定を受け、県南東部の基幹病院として地域医療を支えるという使命もあります。国立病院機構としての政策医療(がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、救急医療、災害時医療、周産期医療、小児医療)、移植医療(腎移植、骨髄移植)、運動器医療、難病医療など、総合的で高度な急性期医療を提供しています。さらに、岡山市から委託を受け、岡山市立金川病院を、地域包括ケア病院として運営しています。未曽有のコロナ禍において、コロナ対応と従来の地域医療の両立という難題に対峙していますが、今年も職員一丸となり、この難局を克服してまいりたいと思います。
他方、当院は医師をはじめとした種々の医療職の育成にも注力しています。医師の臨床研修指定病院であることはもとより、附属看護助産学校を擁しており、看護師、助産師の育成も行っています。また、医学部生を初めとし、外部教育機関から、薬剤師、栄養士、臨床検査技師等の研修も受け入れています。さらに、国内のみならず海外からも医師の研修を受け入れ、指導のための派遣も行っています。
もう一つの特長として、当院は一般の病院にはない臨床研究部を擁しています。国立病院機構の方針として、医療発展のため、積極的に臨床研究に取り組んでいます。当研究部は全機構病院(140病院)の中で、獲得研究費が常にベスト10以内にランクされており、今後ともエビデンスに基づいた医療(EBM)を推進すべく、積極的に治験等にも取り組んでまいりたいと思います。
昨年は病院としていくつかのプロジェクトを立ち上げていたのですが、その1つに中庭公園化計画というのがあります。無機質な病院空間において、少しでも患者さんが憩える場、職員も心落ち着かせることができる場を提供したいと思い、コロナ禍の今だからこそ、建物間の中庭空間を公園化する事業を推し進めました。作庭に関わるボランティアには、院内職員だけでなく、中国デザイン専門学校の生徒さん達からも協力を仰ぎました。hospital artに興味を持ってくれる人が出れば幸いと思っています。春には新緑が茂り、花が咲き、素敵な空間ができると期待しております。「さにーちゃんガーデン」として開園予定です。
私個人としては、「明るく、楽しく、厳しく」をモットーに、地域の中核病院として確固たる方向性を持って進んでいきたいと思います。今まで以上に、地域の人たちから信頼される病院、社会に貢献できる病院を目指し、職員一丸となって頑張ってまいりますので、倍旧のご支援、ご協力を宜しくお願い致します。
2021年12月末 記