臨床研究部長 | |
医長 | |
医師 | |
医師 | |
医師 | |
専攻医 | |
専攻医 |
安藤 翼(あんどう つばさ)
|
当科は常時50床前後を有し(内、無菌治療室22床)、中国・四国地域でもトップクラスの規模を誇っております。国立病院機構・中国地区血液疾患基幹病院として患者様は岡山県全域からは勿論のこと香川県・広島県・兵庫県などからも広くご紹介頂いており、院内他科医師および他職種(看護師、薬剤師、臨床検査技師など)と密接な連携を取りながらチーム医療を実践しております。
急性白血病に対しては化学療法、分子標的治療から造血幹細胞移植に至るまで最新の知見に基づいた治療を行っております。最近では、急性骨髄性白血病にFLT3阻害薬やアザシチジン+ベネトクラックス、急性リンパ性白血病にイノツズマブ・オゾガマイシンやブリナツモマブなどの治療法が使用できるようになりました。また、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法の適応があれば、岡山大学へ紹介しています。慢性骨髄性白血病はチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブ、ニロチ二ブ、ダサチ二ブ、ボスチ二ブ、ポナチ二ブ)による外来治療を行っております。慢性リンパ性白血病に対しては、標準的化学療法のほか、抗体医薬(リツキシマブ、オファツムマブ、アレムツズマブ)、分子標的薬(BTK阻害薬、ベネトクラックス)の導入も行っております。
造血器腫瘍の中で一番多い疾患です。化学療法、抗体医薬、分子標的薬および造血幹細胞移植を組み合わせた標準的治療を基本として、個々の病状に応じて最良と考えられる治療の提供を心掛けています。また、濾胞性リンパ腫にはオビヌツズマブ、マントル細胞リンパ腫に対して、ボルテゾミブ、イブルチ二ブ、末梢性T細胞リンパ腫にはブレンツキシマブ・べドチン、フォロデシン、プララトレキセート、ロミデプシンなどの導入も行っております。最近では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にポラツズマブ・ベトチン、末梢性T細胞リンパ腫にデニロイキン・ジフチトクス、濾胞性リンパ腫にはタゼメトスタット、成人T細胞リンパ腫にはツシジノスタットが使用できるようになりました。また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫においては、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法の適応があれば、岡山大学へ紹介しています。
化学療法、分子標的治療(ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、レナリドミド、サリドマイド、ポマリドミド、パノビノスタット)、抗体医薬(エロツズマブ、ダラツムマブ、イサツキシマブ)および造血幹細胞移植まで積極的な治療を行っております。多発性骨髄腫の診療に関しては、昭和50年代から力を入れており、日本でも有数の専門施設と認められております。
再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、特発性血小板減少性紫斑病などの血液疾患やHIV診療も行っております。骨髄異形成症候群に関しては、脱メチル化剤といわれるアザシチジン、-5q症候群に対するレナリドミドという薬剤も、当科でも積極的に使用しております。
当院は骨髄バンクおよび臍帯血バンク認定施設であり、成人の造血幹細胞移植においては岡山県で一番早く導入した実績があります(平成3年に導入)。特に多発性骨髄腫における造血幹細胞移植に関しては開始時期および症例数ともに日本の先駆的な立場にあります。
日本成人白血病研究グループ(JALSG)、日本細胞移植研究会(JSCT)、西日本血液臨床研究グループ(W-JHS)および国立病院機構ネットワーク共同研究血液グループ(NHOH)などの多施設共同研究に積極的に参加しております。
当院では新薬の開発にも力を入れており、第一相試験から第三相試験まで幅広く行っています。特に海外の施設との共同試験が中心であり、ドラックラグをなくすために日々努力しております。対象疾患は多発性骨髄腫が中心ですが、急性白血病、骨髄異形成症候群および悪性リンパ腫も行っております。
日本血液学会専門医・指導医が3名、専門医が1名、日本造血・免疫細胞療法学会認定医3名、日本輸血・細胞治療学会認定医1名おり、専門医の育成に力を入れております。
現在、常勤医師4名、専修医・初期研修医2~3名にて、入院では複数担当医制で診療を行っています。常勤医師は血液内科関連の専門医・認定医を取得しており、高度で専門的な医療を提供させていただいております。
新入院患者数
|
一日平均入院患者数
|
平均在院日数(日)
|
|
2016年度
|
761
|
43.7
|
20.9
|
2017年度
|
784
|
48.2
|
22.2
|
2018年度
|
867
|
55.5
|
23.4
|
2019年度
|
883
|
43.7
|
21.5
|
2020年度
|
912
|
43.6
|
20.8
|
2016年度
|
2017年度
|
2018年度
|
2019年度
|
2020年度
|
|
急性骨髄性白血病
|
65
|
74
|
88
|
78
|
62
|
急性リンパ性白血病
|
11
|
17
|
18
|
15
|
20
|
慢性骨髄性白血病
|
8
|
1
|
2
|
12
|
6
|
慢性リンパ性白血病
|
6
|
2
|
1
|
5
|
8
|
悪性リンパ腫
|
337
|
324
|
302
|
333
|
370
|
多発性骨髄腫
|
142
|
183
|
212
|
141
|
116
|
骨髄異形成症候群
|
17
|
67
|
122
|
160
|
206
|
再生不良性貧血
|
8
|
4
|
6
|
16
|
4
|
特発性血小板減少性紫斑病
|
11
|
8
|
17
|
17
|
9
|
その他
|
178
|
133
|
110
|
106
|
111
|
2016年度
|
2017年度
|
2018年度
|
2019年度
|
2020年度
|
|
急性骨髄性白血病
|
8
|
23
|
15
|
14
|
11
|
急性リンパ性白血病
|
0
|
1
|
1
|
1
|
3
|
慢性骨髄性白血病
|
10
|
8
|
3
|
6
|
4
|
慢性リンパ性白血病
|
1
|
1
|
3
|
0
|
0
|
悪性リンパ腫
|
69
|
55
|
75
|
75
|
73
|
多発性骨髄腫
|
22
|
22
|
27
|
23
|
17
|
骨髄異形成症候群
|
30
|
18
|
23
|
11
|
16
|
再生不良性貧血
|
6
|
4
|
6
|
7
|
1
|
特発性血小板減少性紫斑病
|
14
|
12
|
11
|
18
|
7
|
2016年度
|
2017年度
|
2018年度
|
2019年度
|
2020年度
|
|
血縁間同種骨髄移植
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
非血縁者同種骨髄移植
|
4
|
6
|
0
|
8
|
0
|
血縁間同種末梢血幹細胞移植
|
1
|
1
|
0
|
1
|
1
|
自家末梢血幹細胞移植
|
9
|
12
|
3
|
4
|
4
|
臍帯血移植
|
2
|
2
|
0
|
0
|
2
|
2016年度
|
2017年度
|
2018年度
|
2019年度
|
2020年度
|
|
急性骨髄性白血病
|
2
|
6
|
0
|
3
|
1
|
急性リンパ性白血病
|
0
|
2
|
0
|
1
|
0
|
慢性骨髄性白血病
|
0
|
0
|
0
|
0
|
1
|
悪性リンパ腫
|
4
|
6
|
0
|
3
|
2
|
多発性骨髄腫
|
7
|
6
|
3
|
4
|
2
|
骨髄異形成症候群
|
1
|
0
|
0
|
3
|
1
|
再生不良性貧血
|
2
|
0
|
0
|
0
|
0
|
その他
|
0
|
1
|
0
|
0
|
0
|