病気の適切な治療選択のために、病変の一部の組織や細胞を採取して、顕微鏡で見るためのガラス標本が作られます。この標本を顕微鏡で観察して、組織や細胞の種類や形態を判別し、病気の原因を探るのが病理検査です。病理診断を専門とするのが病理専門医です。
細胞診や生検組織診断で、病気の良悪性などを診断し、主治医に報告します。主治医は診察所見と他の検査結果を合わせ、治療方針を決定します。外科手術が行われた場合、採取された臓器からも病理標本を作製し、病気の広がりや転移の有無などを評価し、後の治療方法選択に役立てられています。
手術中に、病変の良悪性や切除断端に病変が残っているかどうか、あるいは腹膜などへ病気が転移しているかどうかを判断する術中迅速診断も行われます。これらは通常の標本よりきれいに作成することが困難ですが、20-25分程度で手術者に結果が報告され、それにより術式の変更が行われることもあります。
近年、癌治療において分子標的治療薬などが続々と開発されています。それぞれの薬に対応する特別なタンパク質や変異遺伝子を腫瘍細胞がもっているかどうかを見る検査をコンパニオン検査といい、変異の種類に応じて、治療薬を選択する様になってきています。検査に用いる場合、腫瘍組織をある程度の量、確実に採取することが重要であり、病理検査の結果、再度採取をお願いすることがあります。
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2019
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2020
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2021
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組織診断
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4929
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4719
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4841
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術中迅速
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137
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129
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152
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細胞診
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3993
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3727
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3531
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病理解剖
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25
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22
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26
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