腎移植は末期腎不全の患者さんに必要な腎代替療法の一つで、腎臓提供の意思のある方からの生体腎移植と脳死下あるいはそれに準ずる状態の方より提供していただく献腎移植があります。当院では1988年末より腎移植に取り組み、生体腎移植、献腎移植いずれも行っています。
これから腎移植を受けられる患者さんの評価、腎臓提供の意思をお持ちの生体腎移植ドナー候補の方の精査、腎移植手術、移植後の免疫抑制療法など、腎移植の診療が当科の中心です。それに加えて当院は日本臓器移植ネットワークの特定移植検査施設に指定されており、その業務を行っています。また、岡山県臓器バンクと連携し、臓器移植医療の啓蒙、臓器提供の推進などの社会活動にも携わっています。当院には、医療チームと患者・家族の間に立ち、臓器移植プロセスを円滑に実施できるように調節する専門職のレシピエント・コーディネーターを配置し、日常活動しています。
現在、腎臓移植外来は水、木曜日に開設しています。生体腎移植をお考えの方の場合は、ドナー候補の方とご一緒の受診をご配慮いただければと存じます。献腎移植登録継続には年1回の移植施設の受診が必要ですので、登録更新期間(1~3月)には金曜日午前中に献腎移植登録更新外来を開設しています。
移植後の免疫抑制療法等の継続、フォローアップは原則として当科外来で行いますが、ご遠方の方やご高齢などの理由で当科外来通院が困難な場合はご紹介いただいた施設に定期通院を依頼し、当科には半年、1年毎の通院としております。
透析を開始されている方また、腎代替療法が必要な方は主治医の先生がおられますので、腎移植を考えられる場合には主治医の先生と御相談のうえ当科を受診していただく事になります。生体腎移植の場合にはドナー候補の方とご一緒の受診となります。
移植後は原則としては当科外来を定期受診していただく事になりますが、当科への定期受診が困難な場合には定期受診を主治医の先生にお願いし、当科には半年あるいは1年毎に受診してもらう事になります。
1988年から2021年末までの岡山医療センターの腎移植症例は生体腎移植344例、献腎移植99例の合計443例です。