前立腺肥大症に対する経尿道的手術を積極的に行なっています。平成20年からは、経尿道的核出術(TUEB、チューブと読みます)を導入しました。
前立腺肥大症に対する標準的手術としては、30年以上前から、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)が行われてきました。
しかし、肥大した前立腺組織を尿道側(内側)から切除していくため、被膜側(外側)からの血管を何度も切断しなければなりません。
そのため、出血が避けられず、大きな前立腺では、輸血も必要となります。
また、内側から切除するため、完全な切除が困難でした。前立腺をミカンにたとえると、以前のTUR-Pでは、ミカンの中心部から、外側の皮に向かって、実を少しずつ削り取っていたため、その間果汁が漏出するように出血が続いていました(図2)。
当院が実施しているTUEBでは、前立腺を被膜に沿ってくりぬく手術であり、完全な切除を可能にするとともに、血管を根元で止血しますので、出血がほとんどありません。
つまり、ミカンの外側の皮を残して、内側の房をはがすように切除する方法です。この方法により、大きな前立腺肥大症も、安全に手術することが可能になりました(図3)。
当院は、従来から行われてきた標準的手術であるTUR-Pとともに、新しい手術であるTUEBを選択可能です。