分化癌(乳頭癌・濾胞癌)の進行・転移例に対して、放射性ヨード(ヨード131)治療ができます。特別に遮蔽された部屋が8階に2床あります。年間約40例行っています。
日本では約60施設しかこの設備はありません。県内には3箇所あり、当院以外ですと岡山大学附属病院、倉敷中央病院があります。治療までの待機期間が平均6ヵ月近くとなっているが当院では待機期間が2ヵ月以内で、迅速な対応が可能です。
約1週間の入院期間です。
欧米で積極的に行われている放射性ヨード治療を入院することなく外来で行なっております。
年10例ほど行っております。乳腺甲状腺外科と内分泌内科で行なっています。
まず、去勢抵抗性前立腺がんとは、男性ホルモンの分泌を抑える治療を実施しても症状が悪化する前立腺がんのことです。
この状態の転移した骨を治療するお薬として、ゾーフィゴ®静注を使用します。
ゾーフィゴ®静注には、アルファ線と呼ばれる放射線を出す「ラジウム-223」という放射性物質が含まれています。このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞の増殖を抑えます。
アルファ線とは、エネルギーが高く、細胞を破壊する力が強いという特徴があります。 しかし、アルファ線の力が届く距離は0.1ミリ未満と短いことから、正常細胞に影響を及ぼすことは比較的少ないとされています。
このような作用によって、去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に対して治療効果が期待できます。
泌尿器科の主治医が、骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんの治療にゾーフィゴ®静注が望ましいと判断された場合に放射線科RI室で施行されます。薬剤の投与が月1回で、6ヶ月継続して行います。外来での治療が可能です。
患者様の状態や病気の種類によって適応・不適応がございますので、まずは主治医の先生にご相談ください。
イットリウム-90という核種を用いて、悪性リンパ腫細胞にダメージを与える治療を行います。
この治療はインジウム-111という核種を用いて治療前の診断検査を行うことが必要となり、この検査結果から治療が適切であるかを判断します。その後、治療可能な患者様に対し治療薬の投与行います。国内臨床試験の結果、80%の患者様で腫瘍が治療前に比べて縮小し、64%の患者様で腫瘍病変がほぼ消失したということが確認されました。
診断・治療検査ともに抗ヒスタミン剤や解熱鎮痛剤などの点滴を行う必要がありますので、半日から1日がかりとなりますのでご了承ください。
主な副作用として、リンパ球数減少、好中球数減少、血小板数減少、白血球数減少などの血液毒性が挙げられます。これらはほとんどの患者様で治療から2か月ほどで発現し、その後1~2週間で軽快します。このような副作用があるため、治療を受けていただいた患者様には定期的な血液検査をお願いします。
そのほかに寒気、頭痛、発疹、せき、むくみ、喉の腫れ、動悸、息苦しさなどの症状があらわれることがありますのでご注意ください。
上記のいずれの治療も患者様の状態や病気の種類によって適応・不適応がございますので、まずは主治医の先生にご相談ください。